Written by OjiOji

【この理解でOK】賃貸経営で知るべき更新契約の一般的な流れと注意点【これだけ】

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【この理解でOK】賃貸経営で知るべき更新契約の一般的な流れと注意点【これだけ】

賃貸経営の更新契約を知りたい人「賃貸経営を勉強するときによく出てくる更新ってなんだろう・・・」

こんにちは。おじおじです。

不動産の賃貸借契約に関する重要な手続きのひとつに更新があります。

延長などと呼ばれることもある更新手続きは、オーナーにとっては入居者に長く住み続けてもらうために欠かせない手続きです。

ここでは契約の更新手続きについて、一般的な流れや注意点を説明します。

本記事の内容

  • 通常2年ごとに行う賃貸借契約の更新手続き
  • 更新手続きの種類
  • 更新料の位置付け
  • 更新に合わせた賃料交渉について

通常2年ごとに行う賃貸経営の更新手続き

通常2年ごとに行う賃貸経営の更新手続き

マンションやアパートなどの不動産を経営しているオーナーは、各入居者との間で賃貸借契約を結んでいます。

賃貸借契約の期間は契約内容によっても異なりますが、一般的には2年間のケースがほとんどです。

1年未満だと期間の定めのない賃貸借とみなされ、2年を超えると入居者のライフスタイルの影響を受けやすくなることがその理由です。

契約期間の終了が近づいたら各入居者が契約の更新もしくは退去といった判断をすることになります。

契約終了時に退去される場合も

契約終了のタイミングで退去という選択をする入居者ももちろんいます。

特に日頃から物件に対して不満を抱えていたり、他にいい物件が見つかったりした場合はその可能性が高くなります。

逆に物件に対する不満が特になく引っ越しなどの予定もない場合は、問題なく更新してもらえるでしょう。

賃貸借契約の終了は入居者にとって転居を考えるひとつの契機でもあり、オーナーにとっては物件や入居者に対して行ってきた日々の努力がジャッジされる瞬間でもあります。

これは自動車の車検時期が車を手放したり乗り換えたりといった行動のターニングポイントになるのと似ています。

賃貸経営の更新手続きの種類

賃貸経営の更新手続きの種類

賃貸借契約の更新手続きには、次の2種類があります。

  • 合意更新
  • 法定更新

合意更新

物件のオーナーである貸主と入居者である借主が合意のうえで行う契約の更新です。

流れとしては契約満了日の2ヵ月から3ヵ月くらい前を目処に更新の案内を各入居者へ送付し、必要な書類を揃えて返送してもらって契約手続きを行うことになります。

必要な書類は契約によっても異なりますが賃貸借契約更新契約書や入居者台帳など、基本的に新規契約時と同様の書類を準備して契約を取り交わします。

連帯保証人については名義が同じでも状況が変わっている場合があるため、あらためて確認しておくことをおすすめします。

ただし保証人本人が遠方に住んでいて確認が難しいなど、状況によっては不動産会社やオーナーの判断で手続きを省略するケースもあります。

家賃保証会社や火災保険会社などと契約している場合はそちらも合わせて更新手続きを行うことになります。

契約更新の手続きに伴う更新料は家賃の1ヵ月分前後であることが一般的で、仲介会社に支払う事務手数料も含めて基本的に入居者負担となります。

書類のやり取りで手続きを終えることもできますが、可能であれば管理会社の部屋などで直接顔を合わせて意思を確認し、会話しながら手続きを進めることが好ましいでしょう。

普段の生活で特に問題が発生していない場合は入居者と管理会社の担当者やオーナーが顔を合わせて会話する機会はそう多くありません。

契約更新のための面談は、入居者の近況やクレームの有無などをヒアリングできる貴重な機会でもあります。

単なる手続きだけの場で終わらせず、物件に対する意見などをできる限り引き出して経営の改善に活かしましょう。

法定更新

契約の当事者が合意を行わず、これまでと同じ条件で自動的に行われる契約の更新を指します。

事前に契約を更新しない旨を申し出ていなければ、基本的に以前と同じ条件での契約に同意したものとみなされ、期間の定めのない契約として更新されることになります。

法定更新の大きな特徴として、合意更新の場合とは異なり更新料が発生しない点が挙げられます。

更新料が徴収できないことは管理会社やオーナーにとって大きな問題となるため、できるだけ合意更新を行ってもらえる方向で動くのがよいでしょう。

法定更新が行われるのは主に次のようなケースです。

  • 契約交渉が難航して合意に至らなかった
  • 契約満了日までに入居者から書類の返送がなく、連絡もつかない

法定更新では、正当な事由がない限り貸主は契約を強制的に終了させて退去を命じることはできません。

これは借地借家法において借主の立場を守る観点から定められている強行法規であるため、貸主の立場から特約を定めても無効となります。

賃貸経営の更新料の位置付け

賃貸経営の更新料の位置付け

物件や契約によって変わる更新料ですが、その意味合いについて少し触れておきましょう。

もともと更新料は家賃を補充する意味合いで前払いするもの、あるいは物件を継続して使用するために借主が貸主に対して支払うお礼としての意味合いがあるものといわれています。

家賃の一部を前払いしていると考えると毎月の家賃はその分安く抑えられることになりますが、契約の更新をしない場合は更新料を支払う必要がないため借主にとってもメリットがあります。

家賃や敷金・礼金、更新料などの費用はいずれも貸主にとって物件を維持していくための収入ですが、借主はそれぞれの費用を個別に捉える傾向にあります。

毎月の家賃を安くする分更新料に反映させたり逆に更新料をゼロにしてその分を家賃に上乗せしたりと、対応方法はオーナーの方針によっても様々です。

それぞれの調整を適正なバランスで行っているなら、長く住み続けることを考えた場合にトータルでは大きな差は発生しません。

家賃が7万円で更新料が6万円の物件と、家賃が7万2,500円で更新料が0円の物件は実質同額と見ることができますが、入居者が魅力を実感できるように様々な形が取られているわけです。

賃貸経営の更新に合わせた賃料交渉について

賃貸経営の更新に合わせた賃料交渉について

契約更新について頭に入れておくべきポイントのひとつに、借主からの賃料交渉があります。

基本的には現状維持となることが多い契約更新ですが、家賃を下げて欲しい、更新料を下げて欲しいといった交渉を持ちかけられるケースも少なくありません。

これらの賃料交渉は普段も受けることがあると思いますが、契約を巻き直す更新手続きは借主にとって交渉を行いやすいタイミングといえます。

原則として安易な値下げはおすすめできませんが、状況に応じて柔軟な対応を行う必要はあるでしょう。

入居者の言い分をよく聞いたうえで社会情勢の影響による相場変動や近隣の家賃とのバランスなども含め、慎重に検討しましょう。

少し家賃を下げてもそれにより長く住み続けてもらえるのであれば、結果的にプラスと考えることもできます。

更新料が高くて負担になっている場合は先述のように毎月の家賃に反映させることで実質分割払いとなるため入居者としても折り合いがつく場合もあります。

よく話し合ってお互いが納得する形で調整を行いましょう。

まとめ

貸主であるオーナーと借主である入居者の間では賃貸借契約が結ばれています。

契約期間は一般的には2年間であることが多く、その期間の終了に合わせて契約の更新を行うことになります。

契約更新手続きの種類には貸主と借主が合意のうえで行う合意更新と、合意に至らなかった場合に行う法定更新があります。

合意更新の手続きでは更新料が発生しますが、法定更新の場合は発生しません。

合意更新は契約満了日が近づいたら案内を送り、連帯保証人の確認などを含めてあらためて契約を行う手続きです。

できるだけ顔を合わせて直接会話を行い、物件に対する意見なども吸い上げることをおすすめします。

更新に合わせて賃料交渉が行われることもあるので、家賃相場や近隣の家賃とのバランスなども勘案して柔軟に対応しましょう。

分からないことがありましたら、お気軽にお問合せください。
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