Written by OjiOji

【客付けの優先順位】賃貸営業マンの心の中【不動産投資家は知るべき】

不動産会社 空室対策

【客付けの優先順位】賃貸営業マンの心の中【不動産投資家は知るべき】

客付けの優先順位を知りたい不動産投資家「客付けの優先順位を上げたいなあ。。賃貸営業マンは何を心の中では考えているんだろう?」

こんにちは。おじおじです。

不動産投資家であれば、自分の空室物件を賃貸営業マンに優先的に案内してほしいと考えるものです。そうすれば、より自分の空室がうまる確率が高まります。

賃貸営業マンは、心の中で何を考え、何を思っているのでしょうか?

私も不動産会社勤務時代は、4年ほど賃貸営業の現場で店長をやっておりました。

また、今なお全国多数の賃貸営業マンと密にやり取りしていますので、彼らの現場の声をお届けできるかと思います。

今回は賃貸営業マンが心の中で考えている優先順位をご紹介したいと思います。

本記事の内容

  1. 勤務先の自社保有物件
  2. 自社借上げ物件(サブリース物件)
  3. 自社管理物件
  4. 専属専任媒介物件・専任媒介物件
  5. 一般媒介物件
  6. 他業者からの紹介物件

【客付けの優先順位 第1位】勤務先の自社保有物件

【客付けの優先順位 第1位】勤務先の自社保有物件
大前提ですが、賃貸営業マンは、サラリーマンです。

次にこれも大前提ですが、不動産会社の社長自らが不動産投資をしているケースも多く、これを自社保有物件といいます。

そうなりますと、自社保有物件を最優先するのがサラリーマンである賃貸営業マンの最優先課題となります。

自社保有物件を決めると社内の評価が高くなり、会社によってはADの支払いがなくなるなど、利益貢献が評価され、その分歩合に還元されるところも少なくありません。

その不動産賃貸仲介会社が客付け力のあるところで、自分の物件を優先的に紹介してほしい、と考えても、これは太刀打ちできないでしょう。

【客付けの優先順位 第2位】自社借上げ物件(サブリース物件)

【客付けの優先順位 第2位】自社借上げ物件(サブリース物件)
不動産会社で不動産投資家から物件を借り上げているところは少なくありません。

これを自社借上げ物件(サブリース物件)といいます。

「サブリース」と聞くと、レオパレスとかかぼちゃの馬車とかOYOとか、あまりいい印象を不動産投資家は抱かないでしょう。

しかし、これはやり方によっては、双方にとってメリットがかなりあるビジネスになります。

不動産投資家にとっては、毎月固定家賃が入ってきます。支払いも固定のため、経営自体がシンプルでみえやすいものになります。

不動産会社も物件自体を囲い込めますし、しっかり空室を埋めていけば、

入居者の家賃-サブリース料金=会社の利益

と安定利益を確保できるようになるわけです。

しかしながら、どんなに良いビジネスモデルであっても、空室がうまることが大前提で成立しているため、うまらないと不動産会社が赤字になります。

空室がうまらないため、サブリース賃料が一方的に減額されたり、解除されたりした、というわけです。

そのため、会社によっては、自社保有物件よりも優先して、空室をうめることを第1優先課題としているところもあるくらいです。

これもサラリーマンである賃貸営業マンは最優先して決めるべき物件となります。社内評価と高歩合も期待できます。

【客付けの優先順位 第3位】自社管理物件

【客付けの優先順位 第3位】自社管理物件
次に自社管理物件となります。

自社で管理して自社で成約した場合、どうなるかというと

不動産投資家から1ヶ月+入居者から1ヶ月

もらえます。さらに不動産投資家との契約によっては、ADももらえるところもあります。

実はそれだけでなく、火災保険代理店手数料、滞納保証会社代理店手数料、鍵交換代のキックバック、ところによっては消臭代の利益が入ってきます。

当然、自社保有物件、サブリース物件も同様になります。

さらに契約後、毎月管理料収入が入ってきます。

他業者に依頼すると契約時の手数料が少なくなるため、自社集客で自社成約すると社内評価と高い歩合が期待できます。

そのため、賃貸営業マンは自社保有物件、サブリース物件、自社管理物件を最優先で満室にしようと考えているのです。

【客付けの優先順位 第4位】専属専任媒介物件・専任媒介物件

【客付けの優先順位 第4位】専属専任媒介物件・専任媒介物件
専属専任媒介物件と専任媒介物件は厳密には異なる契約になるのですが、実務、少なくとも賃貸の現場においてはほぼ同義として使われています。

専任媒介契約とは、簡単にいうと不動産投資家が元付けを1社のみに限定して依頼している契約です。

通常は専任媒介契約に管理がついてくるのですが、不動産投資家が「管理は自分でやる」という自主管理の場合、元付け業者を1社に絞っている場合があります。

この場合、契約時にしか利益は生まれない訳です。

不動産投資家から1ヵ月分+入居者から1ヵ月+場合によってはAD+火災保険代理店手数料+滞納保証会社代理店手数料など

元付けを1社にしか絞っていないため、責任が発生します。ですから、上位3つには劣りますが、優先順位高めではあります。

これから書く、一般媒介物件と他業者からの紹介物件は、決めづらい印象を賃貸営業マンはもっている分、決めた場合のADや、内々にキックバックや商品券をくれたりなど、不動産投資家が賃貸営業マンにサービスをするので、何とか決めれないかな?と密かに考えて至ります。

【客付けの優先順位 第5位】一般媒介物件

【客付けの優先順位 第5位】一般媒介物件
一般媒介とは、先ほどの専任媒介と異なり、元付け業者を複数に依頼しています。

何社に依頼しているのかもアバウトにしか分かりませんし、そこまで頑張るモチベーションにならないため、優先順位は低めです。

もし、紹介するモチベーションがあるとすれば、例えば新築物件であったり、ペット共生型物件であったりと、紹介する他のライバル物件より何らかの差別化要素がある場合、となります。

もしくは決めた場合の不動産投資家からの気前のよいADや、内々にキックバックや商品券をくれたりするところ、になります。

しかし、実際のところ、一般媒介物件は、1社が元付けで決まらなかったから、複数社に依頼している訳で、可もなく不可もない物件が多いと言えます。

何の責任もなく、物件自体に紹介するメリットがある場合か、もしくは金銭的メリットがある場合にモチベーションが上がるため、賃貸営業マンは比較的ざっくばらんに、「こうした方がやりやすい」と言ってくれます。

そのため、それを引き出す不動産投資家のコミュニケーション力も重要になってきます。

これは6位も同じです。

【客付けの優先順位 第6位】他業者からの紹介物件

【客付けの優先順位 第6位】他業者からの紹介物件
おそらくここが、この記事を読んでいるみなさんのポジションである場合が多いでしょう。

「なんだよ、最下位かよ」と思われた方も多いと思いますが、十分戦えますので、ご安心ください。

賃貸営業マンが心の中ではこう思っているだけで、現場ではそうはいかない、というのが正直なところです。

理想と現実は異なります。なぜならば、契約するのは賃貸営業マンではなく、お客様なのです。

他のライバル物件よりも差別化要素があれば、十分紹介するに値します、というか、お客様が気になります。

そこに、大家さんが定期的に訪問や電話でコミュニケーションがあり、そこに信頼が生まれれば、十分に紹介してくれるはずです。

ただし、賃貸営業マンには紹介する責任や空室を埋める責任はありませんので、人間関係性だけではなく、ライバル物件に対する差別化要素か、金銭的メリットをもうけた方が空室が埋まる確率は高まります。

今回のまとめ

というわけで、賃貸営業マンの心の中をご紹介しましたが、現実はなかなかそうはならない、ということが分かっていただければ、と思います。

ただ、中途半端なよくある物件だとこの順位どおりになりますし、賃貸営業マンとコミュニケーションをとって、お金を積んで紹介があったとしても、お客様が選ばないでしょう。

そのため、ライバル物件を研究して、ライバル物件をいかにコスパよく差別化できるかを考えたりすることの方が空室対策としては本質的だと言えます。

  1. 勤務先の自社保有物件
  2. 自社借上げ物件(サブリース物件)
  3. 自社管理物件
  4. 専属専任媒介物件・専任媒介物件
  5. 一般媒介物件
  6. 他業者からの紹介物件

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