空室対策の募集条件を確信をもって行う5つのアプローチ【管理会社に流されない】
空室対策の募集条件に困っている人「うーん、なかなか空室がうまらないなあ。管理会社さんからは、家賃を下げましょう、とかリフォームしましょうと言ってくるが、どうにも確信がもてない。。確信をもって募集条件を決定できる方法はないものだろうか」
こんにちは。おじおじです。
確かに家賃を下げれば、空室がうまる強力な決めての1つになるでしょう。ですが、個人的にはそれは最終手段だと思いますし、実際には家賃を下げずに、さらにいえば、逆に家賃を上げて決めた例も多数あります。
今回は、不動産投資家が確信をもって空室対策の募集が決定できるような、5つの検討材料をご紹介します。
本記事の内容
- 俯瞰(ふかん)思考
- 募集条件
- 募集対象
- 物件のネーミング
- USP
【空室対策の募集条件】俯瞰(ふかん)思考
俯瞰(ふかん)とは「高い所から見おろすこと」という意味です。
アパマンの一生を単純に年数で分けると大きく3つのカテゴリーがあります。
- 新築・築浅物件(1-5年)
- 中古物件(6-30年)
- 老朽化物件レベル1(30-50年)
- 老朽化物件レベル2(50年超え)
俯瞰(ふかん)の目で見て、どういう戦略をとれば自分の物件が選ばれるかを考えていきます。考えるべきアプローチはあげるとキリがありませんが、代表的なものは、以下になります。
- エリアはどこか?
- 立地は?
- 徒歩圏内か、車社会か?
- ライバルの募集条件は?
- 比較して足りない設備はないか?
- 賃貸仲介会社はどのようなところがあるか?
- 賃貸仲介会社へ支払う広告料はいくらくらいか?
- 物件の事業収支計画は?
- 各部屋の賃料と入居年数は?
- 入居者はどんな職種、年齢層、年収か?
これらを考えつつ、自分の物件を現実的に選んでもらうアプローチを俯瞰(ふかん)的に考えていきます。
これらを検討する時に参考になるサイトがありますので、以下をご参照下さい(無料です)。
>>参考; SUUMO賃貸経営サポート
>>参考; LIFULL HOMES 見える!賃貸経営
【空室対策の募集条件】募集条件
かつては、賃貸でも、ある程度お金を用意して契約金を支払わないと入居できませんでした。
敷金2ヵ月 礼金 2ヵ月が、当たり前でした。それは、当時は家主の方が強く、家主が入居者を選ぶ、といった文化があったからです。
しかし、今は物件が飽和して、入居者が物件を選ぶ状況です。その中で、初期費用が高い、という状況ですと、第1段階のフィルタリングで外されてしまいます。
そこで以下のような、募集条件のアイデアが広まっていきました。
募集条件アイデアの代表例
- 敷金ゼロ
- 礼金ゼロ
- 仲介手数料ゼロ
- フリーレント(家賃無料期間の設定)
- 期間限定キャンペーン
- 火災保険料無料
- 滞納保証料無料
- 引越し費用サービス
- 更新料ゼロ
- 設備サービス
これらの組合せで物件を魅力的にみせて、内見者を獲得していきます。
ここで問題が出てきます。究極は、「初期費用ゼロ円で引越し代も無料」だと、家賃を支払うだけで入居ができてしまいます。
しかしそれだと
- 不良入居者がまぎれてくる
- 退去が早くなる
この2点の問題が出てきます。
不良入居者は「滞納」「隣人トラブル」「夜逃げ」「犯罪」など、オーナーにとってものすごいリスクを負います。
また、初期費用が安くなると引越しに対するハードルが低くなるため、退去が早くなるのです。
そのため、単に空室がうまればいいというものではなく、バランスをとりながら、募集していかなければいけません。
【空室対策の募集条件】募集対象
築年が浅い内は、入居者の属性を絞って募集しても空室は埋まります。
ですが、築年もある程度経ち、従来の入居者属性では決まらなくなってくると、入居者属性を広げる、間口を広げなければなりません。
入居者の募集間口として思いつくものを以下にまとめました。
募集対象間口の代表例
- ペット可
- ワンルームに2人入居
- 日本国籍以外の人
- 水商売
- フリーター
- 生活保護受給者
- 高齢者
- 母子家庭
- ルームシェア
- 短期貸し(マンスリー・ウィークリー)・民泊
- 店舗・事務所
- LGBT(セクシャルマイノリティの総称)
入居者の募集間口を広げる時の注意点は、現入居者との相性を考える、という事です。
例えば、せっかく入居者が入ったとしても、今まで静かだったワンルームが、ペット可にして1日中子犬がキャンキャン鳴いているようであれば、それを入居者が嫌がって退去してしまうかもしれません。
そうしたら、元も子もありませんよね。ですから、現入居者との相性を考えつつ、間口を広げていくのが得策です。
参考までに、私は、一番最初に記載していますが、ペット可はよほど条件が整わない限りは、まずやりません。騒音の問題と、退去後の臭いの問題でトラブルになると限りなく予想されるからで、共生型として、しっかりリフォームすべきでしょう。
【空室対策の募集条件】物件のネーミング
物件のネーミングは中古アパート・マンションを購入した場合は、基本的には変えなくて良いかと思います。ただし、賃貸仲介営業マンからの物件の評判が悪い場合は、変更すべきです。
変更する際の注意点は、その物件なりのネーミングをつける、です。
築50年を超える築古ボロ物件に、イタリア語やフランス語のネーミングをつけるのも、おかしいですよね。
反対に新築物件に○○荘というのもピンときません。
新築アパートやマンションも最初からネーミングがついている場合もありますが、変更もできるようになっています。
物件のネーミングをつける際のポイントは以下になります。
- 英語はありきたり
- 名字は入れない
- イタリア語かフランス語がおすすめ
- 経営コンセプトを盛り込む
この流れは、私が独立してからあまり変わっていないと思います。一部イタリア語やフランス語もありきたりになってきたとは言われますが、他に変わる国語が見当たらないように思います。
名前を文字ってイタリア語やフランス語に転換させる、というのはありだと思いますが、ぜひやってほしいのが、経営コンセプトを物件名に盛り込む、です。
また、物件名は異性の意見や、不動産業界人でない人の意見を取り入れてみると、思いつかないアイデアがでてきて良いかと思います。
【空室対策の募集条件】USP
USPとは、「Unique Selling Proposition」の略で、ほかに類似のものがない、その商品だけの独特のウリのことです。
ドミノピザの「熱々のピザを30分以内にお届けします。30分超えたら料金はいただきません」というUSPは有名です。
アパート・マンションにUSPをしっかりと打ち出すと差別化ができます。そうなると高確率で家賃を上げることが可能になります。
しかし、私は新築や中古の規格物のアパート・マンションで極端なUSPを打ち出すのは、ハイリスクだと考えています。
新築の段階からしっかりと差別化要素をコンセプトメイキングしたり、中古でもターゲティングして再生すれば話は別でしょうが、新築や中古の規格物ではかなり差別化要素は出しにくいと考えます。
それでは、規格もののアパート・マンションの場合、どのようにUSPを考えていけばいいでしょうか?次のステップで考えてみるとよいです。
- 既存の入居者の以下の情報を整理する
- 「男女比」「年齢」「職業」「年収」
- その全体からUSPを考え、募集図面のキャッチコピーにして反応を見る
- 反応が悪ければ、過去の入居者情報、内見者情報も見つつ再考する
このように考えていけば、極端すぎない自分の物件だけのコンセプトができてくると思います。
今回のまとめ
今回は、空室の募集時の条件決定を考える際の5つのアプローチ方法について、お話ししました。このアプローチをする事で確信をもって条件決定できることかと思います。
- 俯瞰(ふかん)思考
- 募集条件
- 募集対象
- 物件のネーミング
- USP
エリア内での自分の物件のポジションを検証し(俯瞰(ふかん)思考、USP)、印象で損しないむしろメリットがあるネーミングを考え(物件のネーミング)、これらをふまえ、空室の募集を決定します(募集条件・募集対象)。
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