【3つある】なぜ空き家問題が深刻化している現状が生まれているのか
空き家の深刻化に不安を感じている人「これからは空き家が深刻になる、と聞くけれど、実際どうなんだろう?」
こんにちは。おじおじです。
私は不動産に関わって、20年近くになりますが、現在全国各地に様々な不動産がある中でそれぞれのオーナーを悩ませているのが、空き家問題です。
物件の所有者であるオーナーにとって死活問題でもある空き家問題は年々深刻になっているといわれています。
なぜそのような現状が生まれているのか、その理由をまとめてみました。
以下の順番でお話ししていきます。
本記事の内容
- 深刻化する空き家問題
- これほどまでに空き家が生まれている理由とは?
- マーケティングが必要
深刻化する空き家問題
空き家問題は他人ごとではありません。
よく言われている空き家問題は、ざっくり下記の感じです。
- 日々努力をしても空室がうまらない
- 全国規模でみると空室率は40%超える
- 1部屋の退室であっという間に赤字に転落の可能性も
不動産のオーナーである以上物件の空室ゼロを目指すのは当然ですが、現実はそう簡単にはいきません。
物件の立地や条件によってその状態は様々ですが、空室対策を行っていないオーナーの物件はもちろん、日々努力をしているオーナーの物件でさえ空室が目立っているのが実状です。
一説によると昨今の空室率は人の多い東京でさえ30から35%、全国規模で見るとじつに40%を超えているともいわれています。
一昔前は全国でも20%前後だった空室率がここまで急速に上がってきた現実は決して無視できません。
たとえ今利益を出せている物件であっても油断や楽観は禁物です。
新たな入居者を確保することが難しい現状では、1戸の退去が収入に大きく響き、あっという間に損益分岐点を割り込んでしまうでしょう。
入居者のニーズは短期間のうちに驚くほどガラッと変わることもあり、深刻化する空き家問題はどんなオーナーにとっても他人事ではありません。
これほどまでに空き家が生まれている理由とは?【深刻】
空室対策を考えるにはまず現状が生まれた理由をしっかりと認識しておく必要があります。
それぞれの理由について現状を考察することで、取るべき対策も見えてくるためです。
空き家問題がここまで深刻している理由として考えられるのは、主に次の3点です。
- 人口減少に伴う需要の縮小
- 新築物件の建築に伴う供給過多
- 空室対策の怠慢
1つ1つ説明していきます。
理由1.人口減少に伴う需要の縮小
1つめの理由はズバリ、入居対象となる人口の減少です。
日本の人口自体が少子高齢化などに伴って年々減少傾向にあり、2030年からは毎年100万人ずつ減っていく時代に突入するといわれています。
2030年というとだいぶ先のような印象を持つ人もいるかもしれませんが、それはもう目前に迫っています。
人口が減少しているということは世帯数もそれだけ少なくなっているわけで、その分賃貸住宅の需要も減っていき物件には空室が目立つようになっているのです。
晩婚化が進み未婚率が上がっていることもファミリータイプの物件には大きく影響しています。
人口の減少や晩婚化などの現象自体を食い止めることは当然ながらできないため、それらの影響を受けるのはある意味必然的なことです。
重要なのはこうした時代背景を理解したうえで、少ない需要をいかにコントロールして自分の物件へ取り込むかです。
理由2.新築物件の建築に伴う供給過多
皮肉なことに、人口が減少する一方で新築物件の数は増え続けています。
これが空き家問題が深刻化する2つめの理由です。
たしかに街を歩いてみると至る所で新築工事が行われ、あっという間に物件が出来上がっていく様子が見てとれます。
人が減っているのになぜ物件が増えているのかと不思議に思われるかもしれません。
その一因として、相続税の節税対策が挙げられます。
土地や建物などの不動産は現金に比べて評価額が低いため、資産を不動産所有にして人に貸すことで相続税の評価額を抑えることができるのです。
土地の評価額は現金に対して2割減、建物は3割から4割減であることからアパートやマンションを建てて人に貸したいという地主のニーズは高まり、それに応えてハウスメーカーが物件を乱立させている状態なのです。
特に比較的低価格で建てることができて郊外でのニーズも多いアパートの経営は節税対策の方法として実際に推奨もされている選択肢のひとつです。
今後ますます相続税の額や課税割合が増加することも予想されるため、この流れは今後も続いていくでしょう。
理由3.空室対策の怠慢
慢性的な空室状態が多く続けばオーナーのモチベーションが上がらないのも当然ですが、ここにも空き家問題が深刻化する原因があります。
それはモチベーションの低下などの理由から適切な空室対策が行えていないことです。
どうせ人が減っているから、まわりに物件が増えているからとぼやいて空室対策を行わないのは端的にいってオーナーの怠慢です。
空室対策を適切に実施できているオーナーの物件は昨今の状況にあっても入居者をしっかりと確保し、空室率を抑えることができています。
不動産の空室対策は常に周りの状況を把握して継続して行わなければなりません。
つまり対策のための努力を継続して行えているか否かで空室率に大きく差が出る、二極化の状況が生み出されているのが現状なのです。
この現状を前向きに捉えるなら、努力次第で空き家問題を解決することは十分に可能であると考えられるはずです。
空き家深刻化の解消にはマーケティングが必要
以上の理由を踏まえると、不動産業界を取り巻く厳しい現状が見えてきたのではないでしょうか。
要約すると、人が減る一方で物件は増え続けて飽和状態となった市場で、努力を怠ったオーナーの物件を中心に空き家問題が深刻化しているという状況です。
ここで人が減ったり新築物件が建設されたりすることはどうしようもない問題だからと諦めてしまっては、空き家問題を解決することはできません。
空室を作らないためには、新たな入居者を獲得して空室を埋めることに加えて現入居者の退去を防ぐための対策が必要です。
具体的には、次のようなプロセスに分けてマーケティングを行う必要があります。
- 物件に対するニーズを理解する
- 競合物件との条件差を確認する
- 物件に必要な対策を実施する
こうしたマーケティングを行ってはじめて、効果的な対策が行えます。
ただ広告をバラまいたり安直に家賃を下げたりしているだけでは、それこそ無策に走り回っているのと変わりありません。
・オーナー自身が抱える問題点も直視すべき
不動産投資やアパート経営が何もしなくても家賃収入で安泰に暮らせる左うちわと呼ばれていた時代はすでに終わっています。
オーナーは物件の所有者として、自身がリーダーシップを取って率先して全体をコントロールしなくてはなりません。
経営や入居者の管理などの業務を管理会社まかせにしていないでしょうか。
人に相談できずに空室を抱える現状に甘んじていないでしょうか。
このような現状に心当たりがある場合にはあらためて経営者としての自分を見つめ直し、不動産投資についての勉強を行うべきです。
ほんの少しの努力、わずかな工夫から状況は大きく変わることを頭に入れておいてください。
管理会社もただ丸投げされるだけでなくオーナーが共に改善に取り組む姿勢を見せてくれたときには、より頼もしい存在として動いてくれるはずです。
まとめ
マンションやアパートなどの物件を抱えるオーナーに降りかかっているのが空き家問題の深刻化です。
全国規模で見たときの空室率は40%にも上るほどその状況は年々悪化しています。
こうした現状が生まれている理由として、人口減少による需要の縮小と新築物件の乱立による供給過多、そして空室対策が行えていないオーナーの怠慢が挙げられます。
ニーズの理解や市場調査など適切なマーケティングに基づいた空室対策を行うことができれば、このような状況でも物件を満室に近い状態にもっていくことは十分に可能です。
現状を打破するためにも、今一度不動産投資やマーケティングについて学び直してみましょう。
分からないことがありましたら、お気軽にお問合せください。
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【4つある】空室対策の原理は、勝ち組大家は理解している【だから知ろう】
「空室対策の原理がよく分からない。そもそもこれから大空室時代になるとか言われているのに、どんどん新築アパートは建っていくし。。なんで??」「これから空室率40%を超える大空室時代をむかえる」「空き家問題を国が積極的に取り組み」と空室問題は国家の大問題となっています。今回は、空室対策の原理をお伝えしようと思います。
不動産投資は空室物件を満室にして超高値で売りなさい
2017年にぱる出版より発売されました3冊目の私の出版物では一番新しい書籍です。空室対策の最新情報をアップデートし、その後、退去しない空室対策についてまとめ、いかに高値で売却するかについて書かせていただきました。多くの不動産投資家さんから好評をいただいております。