Written by OjiOji

不動産管理会社の担当者に募集状況をヒアリングする際のポイント【ここ押さえとけ】

不動産会社 空室対策

不動産管理会社の担当者に募集状況をヒアリングする際のポイント【ここ押さえとけ】

不動産管理会社の担当者へのヒアリングがおぼつかない人「不動産管理会社の担当者に募集状況のヒアリングをしたいが、何をどう聞けばいいのだろうか?」

こんにちは。おじおじです。

不動産管理会社がしっかり募集をしてくれているか、不信に思っている不動産投資家は多く、実際、私のコンサルの現場でもその話はかなりの確率で出てきます。

私はこれは不動産投資家にも問題があると考えています。

不動産投資家が、不動産賃貸情報の流通ネットワークに対する知識不足から、不動産管理会社へのヒアリングが中途半端になっているのです。

そこで今回は、不動産賃貸情報の流通ネットワークを知ってもらい、その上でヒアリングをいかにするかについてお伝えしたいと思います。以下が内容です。

本記事の内容

  • 不動産賃貸情報の流通ネットワークとは何か
  • 元付業者と客付業者の違いを知る
  • 不動産賃貸情報の流通ネットワークの種類について
  • 管理会社の担当者に募集状況をしっかりヒアリングしよう

不動産賃貸情報の流通ネットワークとは何か【不動産管理担当へのヒアリング】

不動産賃貸情報の流通ネットワークとは何か【不動産管理担当へのヒアリング】

私は冒頭で「不動産投資家にも問題がある」という主旨の発言をしましたが、これは仕方がない問題だ、とも思っています。

といいますのも、不動産投資家サイドからすると、実に実態の分かりづらい賃貸募集のネットワークなのです。

不動産管理会社と契約すれば、「これで安心」と思っていたところ、なかなか空室がうまらない。

そこで不動産投資家は「果たしてキチンと募集してくれているのかな?」と不信に思うというわけです。

そこで募集の仕組みを知ることによって、現在お願いしている不動産管理会社の担当者にしっかりヒアリングをして、募集状況の確認と戦略がとれる、というわけです。

まず知るべきは元付業者と客付業者という業界用語です。

元付業者と客付業者の違いを知る【不動産管理担当へのヒアリング】

元付業者と客付業者の違いを知る【不動産管理担当へのヒアリング】

  • 不動産管理会社=元付業者 → 不動産投資家から依頼を受けて募集
  • 不動産賃貸仲介会社=客付業者 → 入居希望者から依頼を受けて物件を探す

成約すると一般的には以下の手数料が発生します。

  • 不動産管理会社=元付業者 → 不動産投資家から手数料1ヶ月分
  • 不動産賃貸仲介会社=客付業者 → 入居希望者から手数料1ヶ月分

ここまでは分かりましたでしょうか?

不動産業者の中には、不動産管理部門と不動産賃貸仲介部門があるところがあります。

そういうところは、同じ会社で「不動産投資家から依頼を受けて募集」し、「入居希望者から依頼を受けて物件を探す」ことになります。

その形で成約しますと、同じ会社で「不動産投資家から手数料1ヶ月分」+「入居希望者から手数料1ヶ月分」=2ヵ月分の売上げになります。これを業界用語で「両手」と言います。また、どちらかから1ヶ月分もらうことを「片手」と言います。

不動産業者としては、当然、両手で成約すると売上げが倍になるため、両手での契約がほしいわけです。そうすると、他の業者に募集を流さず、「情報の囲い込み」をした方が両手の売上げが見込める確率が高まります。

そういった実情もあるため、きちんと情報が流れているかなかなか不動産投資家には分かりづらくなっているのです。

不動産賃貸情報の流通ネットワークの種類について【不動産管理担当へのヒアリング】

不動産賃貸情報の流通ネットワークの種類について【不動産管理担当へのヒアリング】

不動産業界の不動産管理会社(元付業者)から不動産賃貸仲介会社(客付業者)に情報を流通させるネットワークの仕組みは主に5つあります。

  • レインズ
  • アットホーム
  • マイソク(募集図面)
  • SUUMO
  • LIFULL HOMES

そして、その他、地方やFC間など特定の業者間のネットワークもあります。

  • アパマン・エイブル・ミニミニなどの大手FC間の物件共有ネットワーク
  • 地域限定の業者間ネットワーク
  • FAX流通や手渡しなどの地域間ネットワーク

以下、簡単に説明します。

レインズ

宅建業法で定められた、宅建業者間で物件情報を共有するための国内最大のネットワークです。

以前は使いづらかったため、掲載している管理会社は少なかったのですが、ここ数年だいぶ改善がなされ、多くの賃貸仲介会社が賃貸物件の確認にレインズを使うようになりました。

アットホーム・SUUMO・LIFULL HOMES

大手総合ポータルサイトの有料の情報流通ネットワークです。

アットホームは料金が安価なため、個人の不動産屋も加入しており、思わぬ掘り出し物が見つかる可能性があります。

半面、SUUMOやLIFULL HOMESは、利用料が高額なため、大手の管理会社などが登録していて、入居希望者への訴求力のある物件が多いです。

マイソク

現在は、アットホーム社が主に配布しています。紙媒体でもらえるので、ネットと違いプリントアウトなどしなくてよく、賃貸仲介営業マンからすると便利です。

アパマン・エイブル・ミニミニなどの大手FC間の物件共有ネットワーク

エイブルやミニミニは物件を囲い込んでいる可能性が高いです。エイブルやミニミニは自分たちの物件しか紹介しないため、提案の選択肢が少なくなる、というメリットがあります。

地域限定の業者間ネットワーク・FAX流通や手渡しなどの地域間ネットワーク

不動産業者ならではの、アナログなネットワークです。人とのつながりを大切にしているネットワークです。

管理会社の担当者に募集状況をしっかりヒアリングしよう【不動産管理担当へのヒアリング】

管理会社の担当者に募集状況をしっかりヒアリングしよう【不動産管理担当へのヒアリング】

ここまで、不動産管理会社の賃貸募集ネットワークの流通の仕組みや種類について、お伝えしてきました。

これが分からないと、不動産管理会社の担当者について、募集の現状について、しっかりヒアリングすることはできません。

私が初めて物件のヒアリングする場合は、順番は前後する場合が多いですが、主に以下のポイントに気をつけます。

  • 「自社物件の成約の割合は、自社と他社だとどれくらいになるか?」
  • 「自社ではポータルサイトはどこを使っているか?」
  • 「他社にも情報を流通させているか?」
  • 「他社へはどのような方法で情報を流通させているか?」
  • 「業者間検索のネット掲載はどこにしているか?」
  • 「御社ではLIFULL HOMESと契約していないという事はポータルサイトに私の物件掲載がされていない状況なので、別の不動産賃貸仲介業者に掲載を依頼していいか?掲載の責任は私が負います」

「自社物件の成約の割合は、自社と他社だとどれくらいになるか?」
(これが8-9割が自社だと物件を囲い込んでいる確率が高い)

「自社ではポータルサイトはどこを使っているか?」
(例えば、アットホームとSUUMOという回答だとLIFULL HOMESに掲載できていない可能性が残る)

「他社にも情報を流通させているか?」
(この回答はほとんどが、はいしてます、だと思います。そして、それに対して次の質問)

「他社へはどのような方法で情報を流通させているか?」
(FAXやて配送で、という回答ならネット掲載がされていない。ネット掲載もしている、という回答なら次の質問)

「業者間検索のネット掲載はどこにしているか?」
(自社で使っているポータルサイトに掲載されているかを確認し、未掲載のようなら掲載を依頼する。そして、次の了承も取り付けたい)

「御社ではLIFULL HOMESと契約していないという事はポータルサイトに私の物件掲載がされていない状況なので、別の不動産賃貸仲介業者に掲載を依頼していいか?掲載の責任は私が負います」
(代表的なポータルサイトには掲載しておいた方が間口が広がる)

まとめ

今回、はじめてこの内容を知った方は、かなりの情報量だったかと思いますが、不動産業界の
実態を理解しつつぜひ満室にしてほしいと思います。

分からないことがありましたら、お気軽にお問合せください。
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